英国診断 駐英大使の経験から
中公文庫
ちょっとかためですが、今月の1冊は文庫本です。
我々日本人は、アメリカ人もイギリス人も似たような嗜好を持っているように、勝手に感じてしまいます。
ヨーロッパもアメリカも西洋という意味でワンセットに感じてしまいます。
しかし、ヨーロッパとアメリカでは価値観はまったく違いますし、ヨーロッパ内でも民族や所属している国によって本当にいろいろな考え方があるものです。(裏返せば、西洋人にとって、日本人も韓国人も、中国人も外見の見分けがつかないばかりか、内面的にも同じ思考を行なっているように思われているのでしょう。)
この本は「イギリス」って、こんな国なんだっと思わせる本です。
外交官が見たイギリスの感想が書かれています。
英国大使なんて身近でない職種の人が書いた本ですが、それだけに独特の側面からイギリスを分析していて興味深い内容です。
アメリカの個人主義はまったく異文化の象徴で銃規制をはじめとして日本人には理解しにくいですが、イギリスの自慢するべきでない 「謙虚さ」こそが大切であるというような考え方は日本人には親しみやすかったりします。
英国人を理解するのに、おもしろかった本を他にもいくつか紹介します。
新田次郎氏の息子であり数学者である藤原正彦さんの「遥かなるケンブリッジ 一数学者のイギリス」(新潮文庫)は、アメリカ暮らしが長かった筆者がケンブリッジで生活した1年間を記したエッセイです。英米の比較も面白おかしく書かれていて大変おすすめです。
また 「イギリス的生活とアメリカ的生活」(ジェーン・ウォームズレー著 河出書房新社) も題名の通り英米を比較した面白い読み物です。アメリカ生まれの妻(筆者)がイギリス人と結婚し体験したエピソードがたくさん書かれています。
太平洋戦争後の日本人にとっての外国は「アメリカ」そのものだったと思います。野球をはじめとしてファーストフードなどアメリカ文化は今の日本にとってなくてはならない物になっています。ディズニーランドだって抵抗なく自然に受けいられてしまいます。アメリカ文化には日本は極めて寛容です。
でもこれらは、アメリカであって外国全般ではもちろん無い訳です。わかっているつもりでも、こういったイギリスものを読むと単に西洋といっても、いろいろあるんだなぁと改めて考えさせられます。
イギリス。子連れにとってちょっと遠いですが、本を読んでいると行ってみたくなります。
英国診断 駐英大使の経験から
中公文庫
定価 743円 税抜
ISBN4-12-203117-6
この新しいコーナー「今月の1冊−Good light reading」では毎月、筆者が気に入った文献・雑誌などを紹介していきます。
基本コンセプトはもちろん「子連れ個人旅行」ですが、大きな意味で「旅」を感じ、考えさせられるものをご紹介していきたいと思っています。
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